コストはどうなる？
発電に関する競争が導入されると、気になってくるのがその価格です。そのポイントは、需要家と供給家による需要供給の調整能力にあります。以前の電力会社内の閉じた世界では、能率的に給電指令を行えなかったのですが、情報通信技術の発達で、分散的に需給を調整することが可能になったわけです。
さて、コストの件ですが、前述の通り、電配網は規模の経済があるため引き続き規制されるので、電気料金を引き下げる要因はそれ以外となります。一番わかりやすいのは、総括原価主義ではなくなるので、従来あったであろう無駄なコストは料金に上乗できなくなるということです。それでもコストを引き下げることができた企業は、その努力分の利潤を増大することができるのです。こうして競争による発電コスト低下が期待されます。
いずれにしても、今までは地域で決められている電力会社としか契約できなかったのが、2016年4月の法律改正で、家庭などに向けた電力小売りが全面自由化されました。これにより、いろいろな会社が消費者に電力を直接販売できるようになりつつあります。
各業種の企業が電力の販売をはじめるので、大手電力会社としても、地域の枠を超えたサービスの提供を計画しつつあります。新たに参入する電力会社と電気を契約するというのは、ちょっと楽しみですよね。